鮎はこの季節、腹にびっしりと卵をつけ、川を下る。これを落ち鮎とも呼ぶそうだ。春の稚鮎から、夏の成魚へ、そして今、鮎は、この子持ちの季節を迎えた。こうした、大自然の豊穣な実りを、私たちはほんの少しお裾分けして頂く。それによって、季節の移ろいを、玉川学園にいながら、享受できる。有難いことである。こんな子持ち鮎。味は言わずもがな。だ。酒?酒はやはり真人の燗が良いだろう。季節を楽しむ粋人ならではの一品と、...
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- 2010-10-29
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土瓶蒸しの季節なのですね。昨年も土瓶蒸しの事を書いた記憶がございます。一年経つのはなんと早いことか!今年も始めました。土瓶蒸し。暑くて堪らんかったあの過ぎ去りし夏から、いよいよやって来た実りの秋。まさにそんな季節の移り変わりを、小さな愛らしい土瓶の小宇宙に閉じ込め表現した「落ち鱧と松茸の土瓶蒸し」ちっちゃなお猪口に香り豊かで滋味溢れるスープを注ぎ、その馥郁とした豊香を嗅ぎ、味わい、嚥下すれば、それ...
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- 2010-10-23
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さわらの松前蒸し湯葉あん良いさわらが手に入った。さわらは非常にきめ細かく、上品な白身魚だ。そのしっかりと肉質は、どんな調理にも良く合う。今回は、蒸した後に、だしあんをかけた。さわらを蒸すとき、昆布を下に敷き、昆布の旨味も含ませている。ふっくらと蒸し上がったさわらは、これだけでも十分美味しい。が、更にそこに、たっぷりの湯葉を浮かべただしあんを注ぐ。ふんわり、つるつるとした湯葉と、繊細な旨味のさわらが...
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- 2010-10-22
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秋野菜のくるみ白あえ実りの秋をイメージして、七種の野菜をクルミの入った白あえにいたしました。これまでも、色々な白あえをメニューに載せてきました。今回は秋ならではの白あえ、いかがでしょうか。まず、豆腐を水切りし、基本的な白あえを作っておきます。そこにあたり鉢ですりつぶし、玉味噌をくわえたくるみを合わせ、くるみ白あえを作ります。野菜は全七種。それぞれを茹でたり蒸したりして、小さな形にそろえます。今回は...
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- 2010-10-22
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急に秋らしくなって参りました。ついこの前まで、半そで、サンダルだった皆様も、今ではすっかり秋の装いかと。そんな深まる秋を楽しむ肴たちを今日はご紹介したいと思います。まずは、刺身。モチロンどれも自信あり。なので、どれをご紹介すべきか迷う所なのですが・・・。やっぱり、「もうそんな季節なのね」と言う所で、天然ブリを。鰤は脂が身上の魚です。寒くなって、脂ののった鰤にワサビをのっけて醤油につけると、醤油皿に...
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- 2010-10-21
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天高く馬肥ゆる秋ぴ~ひゃらぴ~ひゃら ぴ~ひゃらりどこぞで笛と太鼓の音。どこぞじゃないですよ。これは眼前の原っぱでの話し。そうです。今日は年に一回の原っぱ祭りの日。好天に恵まれ、朝早くから祭りの準備で周りはおおわらわでございました。と、ひと事なのは、私たち、参加して出店でもしたいところでしたが、やらねばならぬ事がこまごまとあり、不参加。代わりに?店主の弟夫婦が焼き鳥屋台を出し、嬉々としてがんばって...
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- 2010-10-16
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今日のオススメ、どんこ。で、椎茸と連想した貴方。確かに。しかし、今回は魚のどんこです。魚のどんこってご存じですか?これは煮付けにしたら最高の魚です。どんこはタラの仲間です。冷たく深い海を好みます。こういう深海に棲む魚は釣り上げられると、圧力の関係で浮袋が口から飛び出してしまうようです。このどんこもそう。見るとびっくりしますが、その姿からは想像つかぬほど、上品で柔らかい白身は煮付けると醤油の旨味と絡...
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- 2010-10-07
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10月10,11日(日、月)は市場が連休なため、それに合わせて、休みます。以前、お知らせしたように、連休となると、仕入れが難しいためです。ちなみに、連休ではない、一日だけの祝日は営業します。...
さつま揚げは、酒に良く合う。ぷりぷりっとした白身の甘いさつま揚げをフハフハしながら、日本酒をぐびりと飲む。このとき、酒は冷たいのなら、やや辛めかあるいは酸味のある酒などよかろう。丁度入荷したばかりの、松の寿などどうだろうか。また、酒はもちろん冷たいのも良いが、燗も非常に良い。熱々同士じゃん。ええ。そうなのだが、燗にすることで、アルコールが少し和らぎ、酔いが緩やかだ。ぷりぷりのさつま揚げを一気に食す...
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- 2010-10-01
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鮮度の良い墨烏賊が手に入ったので、早速さばいた。墨烏賊はその名の通り、墨袋が他のイカに比べて大きく、身とゲソを離すとき、気をつけなければ、あっという間に墨袋が破れ、まな板も何もかもが墨だらけになってしまう。別に洗い流せば済むことだが、墨袋を破らず綺麗に掃除できると、ささやかな達成感が味わえる。ので、この掃除は私が進んでやる。今日も丁寧にはずしていたつもりだった。身の内側に指を入れたとき、ん?いつも...